東京国際映画祭「パンのココロ」Q&A

10月25日、第25回東京国際映画祭アジアの風部門に出品された台湾映画「パンのココロ」が上映され、カオ・ピンチュアン監督がQ&Aに登壇、作品を観終わったばかりのファンからの質問に答えました。これが映画祭2回目の上映でしたが、「初回に観て気に入って、もう一度観に来ました」というファンもいらして、終始笑顔のままの質疑応答となりました。
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Q. 街の人々として登場するのは、みなさん役者さんですか?
ほとんどがロケ地である高雄の旗山の方たちです。現地の老人活動センターみたいなところでエキストラを募集したところ、みなさん時間がたっぷりある方ばかりなので(笑)、映画を撮るなら出たい!と行列してカメラテストに臨んでくださったんですよ。
 
Q. 最後に登場するパンは、日本語字幕だと「メロンパン」、英語字幕だと「Pineapple Bread(パイナップルパン)」でしたが、中国語ではどちらなんですか?
「波羅麵包(パイナップルパン)」です。日本ではメロンパンなんですね(笑)。作品の中ではとても美味しそうに映っていたと思いますが、実はあれ、食べられないんです。映りを良くするために、ピカピカ光るよう表面を加工しています。そのほうが保存もききますし。食品の撮影は画面でそれらしく見せるための技巧が必要で、例えば牛乳も、本物の牛乳だときれいに映らないので、白く滑らかな液体を使ったりするんです。
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Q. このエピソードは監督の実体験から来ている部分もあるのですか?
完全な自伝ではないのですが、自分の体験も少し入っています。ABC(アメリカン・ボーン・チャイニーズ)と台湾ローカルの少年が一人の女の子を取り合う部分がそうです。高校時代、台湾ローカルの僕には好きな女の子がいたんですが、ある日ABCのライバルが出現したんです。背が高くてハンサムで、もちろん英語はベラベラだし、家もお金持ち。恋に破れて、それ以来、ABCがあまり好きじゃなくなりました。いつか大人になって映画を撮る時には、ABCと台湾ローカルの少年が争って、ABCが負ける作品を作ろうと思っていて(笑)、やっと夢がかなったわけです。
 
Q. 主演の3人の印象は?
チェン・ハンディエンは台湾では有名なコメディアン。すごく元気でモノマネが得意です。でも、プライベートでは無口で物静か。対象的に、アンソニー・ニーリーは白馬に乗った王子様という外見なのに、実際は落ち着きがなく、どうかしてるんじゃないかと心配になるほどです(笑)。ミシェル・チェンは、優しくて思いやりのある隣の女の子という感じの人。この作品では、ポニーテールが印象的だった「あの頃、きみを追いかけた」の都会的なイメージを一新し、ローカルの素朴な女の子になるため、ショートカットにしてもらいました。台湾のファンには、こっぴどく叱られちゃいましたけど(苦笑)。
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Q. 監督のお好きなパンは?
もちろんメロンパンです(笑)。作品に登場する究極のパンを決める時は、メロンパン、肉松(肉でんぶ)パン、クリームパン、ネギのパン、台湾で人気の4つのパンから1つを選びました。
 
Q. この作品のポスターはとても魅力的で、映画のイメージも沸いてきます。
撮影現場でどんなポスターにしようかと話し合ったんですが、その時すでにミシェルの人気がすごかったので、ポスターのデザイナーからミシェルを中心として、2人の男性が彼女を取り合う感じがいいのでは、と提案がありました。いろんなパターンを試してみたんですが、いちばんシンプルでわかりやすいということで、これに決まりました。僕としては、あまりにストレートすぎて、いちばん気に入ったパターンではなかったんですけどね(笑)。
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最後は、「東京国際映画祭で作品が上映され、台湾のパンの文化、台湾の田舎の人たちの温かい気持ちを知っていただけて嬉しく思います。実はこの映画、まだ日本で版権が売れていないんです。ご興味のある方はぜひご連絡ください!」と茶目っ気たっぷりのPRで締めくくりました。
 
◆「パンのココロ」
監督:カオ・ピンチュアン/リン・チュンヤン
キャスト:チェン・ハンディエン/ミシェル・チェン/アンソニー・ニーリーほか
 
 

 

       

 


 

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