台湾で「恋人にしたい俳優」と人気急上昇中の若手俳優リウ・イーハオの主演ドラマ『恋してる・愛してる』が、アジアドラマチックTVにて日本初放送決定しました。ドラマイベントのため来日した彼にインタビューをさせていただきましたのでお届けします。
フォトシューティングでは、笑顔で気さくに撮影に応ジてくれたリウ・イーハオ。インタビュー室に入ってきたときは「初めまして」とお辞儀し、少し緊張しているかのようでした。
―いよいよ主演ドラマ『恋してる・愛してる』が日本で初めて放送されますが、日本での放送決定を聞いたときの感想を教えてください。
日本で放送されることも、日本でプロモーション活動ができることにもとても興奮しました。以前から日本語を学びたいと思っていたのですが、仕事を通じて日本を旅したり、日本の美味しいものを食べることができるので、そういう意味でも嬉しかったです。特にお寿司を食べたいですね!
―今回の来日ではまだ食べていないんですか?
少しだけ食べました。小さいお寿司をいただきました。
―あらためて『恋してる・愛してる』のみどころを教えてください。
まず、台湾と日本との共同制作という点が台湾では珍しいことでもあるのですが、みどころというと北海道ロケになると思います。北海道のいろいろな景色を映し出し、ドラマの中での描き方がとても綺麗で美しいです。そして、僕が演じた主人公ジアハーの職業が探偵ということで、スリルやサスペンスといった要素もあり、探偵モノとしての見どころもあります。これまで僕が作品で演じてきた役とはずいぶん違うものになったと思います。自分ではすごく動作がのろいというか、あまりキビキビ動く方ではないと思っているのですが、この作品では探偵としてキビキビ動いていますよ。
―本作に出演が決まったときの感想はいかがでしたか?
北海道に行けることが本当に嬉しかったです。ただ、二人の女性の間で愛情が揺れ動くという役柄はこれまで演じたことがなかったので不安もありました。その愛情が複雑に錯綜しているので、本当にこの役が演じられるだろうかと悩み苦しんだこともありました。
―お気に入りのシーンやセリフはありますか?
北海道での場面で、丹丹が言う「ジアハーはずっと私のそばにいたんだ」というセリフが好きです。ジアハーと丹丹がすれ違ってなかなか会えない中、実はジアハーは丹丹を影から見守っているという状況の中でのセリフなので、とても印象に残っています。
―小樽やルスツリゾートなどで行った北海道ロケでのエピソードを教えてください。
部屋がとても広くてビックリしました。1つの客室に3フロアもあって、チョーオオキイ。デモ、チョットコワイデス。一番下のフロアはリビング、上はベッドルームというタイプの部屋だったのですが、あまりの広さに女優さんたちは怖がってマネージャーと一緒に1つの部屋で寝泊りしたみたいです。桑田役の鈴木有樹さんとは日本で知り合ってとてもいい友達になったのですが、「こんなに大きい部屋があるなら、次は両親を連れて遊びに来ようよ」と話していました。それはまだ実現していないんですけどね。
―ドラマの中で丹丹はスキーをしていましたが、イーハオさんは?
僕はドラマの中で滑るシーンがなかったので、彼女たちがとても羨ましかったんです。でも、ちょっとこっそり滑ったんですよ(笑)。スノボ、チョームズカシイイ~。台湾に戻る前日にここでもしケガをしたとしても、もう撮影に影響しないと思ったのでちょこっと滑りました。僕は日本語は上手くないけど、リフトに乗るときに係員の人に「ボク、ハジメテ。コレハカンタンデスカ?ココハダイジョウブデスカ?」と聞いて、大丈夫だと聞いた上で山を登って、コースに沿って降りてきました。でも、周りの人たちが上手に滑っているので、僕もできるかなと思ったら、かなり転んでしまいました。イタカッタ~(笑)。
―ジアハーとイーハオさんの共通点、全く異なるところを教えてください。
共通点は家族や友達の面倒をよくみる、関心を持っているという部分ですね。違うところ料理ですね。母がとても料理が上手なので、僕は全く作る必要がないんです。
―ジアハーは料理だけでなく、家事全般的に万能でしたが、イーハオさんの得意な家事は?
床のモップがけですね。あとは母を手伝って高いところのものを取ったり、重いものを運んだりしています。でも、服をたたむのは母も僕も嫌いです(笑)。よく二人でテレビを見ながらたたんでいます。
―日頃からお母さんのお手伝いをしているんですね。
いまはたまにですね。いまは撮影中で朝早く出掛けて、夜遅くに帰ってくる日々なので、なかなか一緒にできないんです。ある日は家に帰って母に「オヤスミナサイ~」って言ってすぐに寝ちゃいますし、一日に「オハヨウ」「オヤスミナサイ」しか言わなかったという日もよくあります。
―共演した二人の女優(ワン・ラーイェン、イン・チョンジェン)の印象を教えてください。
二人ともドラマの役柄とよく似ているところがあります。丹丹役のワン・ラーイェンさんとは家族という設定だったので共演シーンも多く、一緒にいる時間も多かったのでいろんな話をしました。ウェンチーを演じたイン・チョンジェンさんとはやはり一定の距離感があるという感じでした。役柄が実際の普段の付き合い方にも反映されていたように思います。
―ドラマの中でも鍛えられた身体を披露されていますが、体型の維持管理はどのようにしていますか?
仕事が忙しくないときには週に3~4回はトレーニングジムに通っています。服を着ないで家の中をうろうろしていると母が「最近ジムに行ってないんじゃないの?ちょっと太ったわね!」とよくチェックしてくれます。母は面白い人なんです(笑)。僕の父はすごくマッチョな人で、家の中でよく身体を動かしている人なんです。いまは足を怪我してしまいできないのですが、以前は毎朝6、7時ごろには起きて、まずはバスケットボールをして、9時に家に戻って来て会社に出勤するというタフな生活をしていました。そんな父を見ているので、僕も負けられないんです。
―台湾での放送後は反響も大きく、「恋人にしたい俳優」と言われるようになりましたが、そのことについてどう思いますか?
とても嬉しかったですね。でも、たくさんの女性から自分の恋人にするならこんな人と言っていただけるとは思っていませんでした。ちょっと恥ずかしい気持ちもありましたが、嬉しかったです。
―バイク、鉄工、なおかつ料理も得意という何でもできる女性のウェンチーと、甘えてばかりの女性だった丹丹ですが、イーハオさんご自身はどちらの女性が好きですか?
ウ~ン、ムズカシイ。どちらかというと丹丹のように甘えてくる女性が好きですね。というのは、僕はバイクを運転できるので、後ろに乗せてあげることができますからね。
―ジアハーのファーストキスは丹丹との“事故”のようなものでしたが、イーハオさんご自身はファーストキス、初恋にどんな思い出がありますか?
一番最初のガールフレンドに告白したときに床にチョークのようなもので「僕と付き合ってくれますか?」と書いたんです。その後に「目を閉じて」と言って、彼女にキスをしました。チョードキドキシマシタ。
―告白とキスが同時だったんですね。
はい。告白と同時にキスして成功しました。でも、キスした後には彼女に「ごめんなさい」って謝りました。18歳の頃に告白したのですが、初めてだったのでどう告白していいのか分からず、そういう方法をとってしまったので、彼女に「ごめんね」と。ホントワカラナイ~。
―ファーストキスが18歳とはずいぶんと奥手だったんですね。
だから姉の友達は僕のことをゲイじゃないかと疑ってました(笑)。当時の僕はとっても恥ずかしがり屋だったんです。学校の売店に行っても、女の子がたくさん買いに来ていたので、そこを通るときはずっと床を見て歩いているような子だったんです。恥ずかしくて女の子の顔をまともに見ることができなかったんです。大学に入ってからようやく女性と話せるようになりました。でも、この仕事を始めて分かったことは、シャイになっている暇はないってことです(笑)。人と会う時間が本当に短くて、恥ずかしがっている時間がないんですよ。
―では、理想の女性のタイプは?
人を盛り上げることができて、かわいい女性。それと一緒に旅行に行ってくれるような女性がいいですね。料理ができる女性もいいなって思います。仕事が終わって疲れて帰ったら、食卓に食事が並んでいるのが理想です。ドラマ『半沢直樹』で上戸彩さんが演じた奥さんが料理を作って待っている姿を見て、いいなって思いました。あんなふうに待っていてくれると、外ですごく疲れた仕事をしたとしても、家に帰ったらすごくリラックスできると思います。
―モデル出身と聞いていますが、俳優になるきっかけを教えてください。
モデルの活動を始めてから徐々に自然な流れで俳優になったという感じです。僕の座右の銘として「船到橋頭自然直」(日本のことわざ「案ずるより産むが易し」という意味)という言葉があるのですが、あまり深く考えずにやってみればなんとかなると思っています。最初に芸能界に入った頃、母がすごく心配してくれたんです。事務所といろいろ相談しながら仕事をしていたのですが、はじめはモデルとしてCMや広告の仕事が多く、40数本撮っていましたが、そればかりでこの先どうなっちゃうんだろうと思っていました。自分でも次のステップに行かなければと思っていたところ、徐々に俳優の仕事をいただくようになったという感じです。
―モデル、俳優の他にインディーズバンド「輕晨電(Morning Call)」のギタリストとしても活動されていますが、それぞれの活動にはどんな魅力、面白さがありますか?
芸能活動を始める前には、どういった意義があるのか、この仕事にどんな意味があるのか、よく分かっていなかったのですが、実際にやってみると皆さんからフィードバックが返ってくるということがすごいなって思いました。例えば音楽に「試験勉強のときに聴きました」「すごく癒されました」といった声を聞いたり、ドラマでも「とっても面白かった」「とっても楽しかった」という反応が返ってくると、すごいなって思いますし、やはりとても意義のある仕事だと思うようになりました。そんなところが魅力だと思います。以前は自分が何をしたらいいのか、あまりよく分かっていなかったのですが、そういう意味ではみなさんからのフィードバックによって、自分がやるべきことが分かってきたので、みなさんにとても感謝しています。
―それぞれの活動の中で一番自分らしさが出せるものは?
それはやはりバンドですね。演技は演じる役柄によって自分を変えていかなくてはいけませんが、バンドはリラックスして自分のやりたい音楽ができるので、自分らしさが出せます。でも、どちらの活動も大事です。ずっと演技をしていて音楽をやるとリラックスできますし、逆に音楽をやっていて演技をやると、また違った気分を得られますから。
―イーハオさんの笑顔は多くの人を癒していますが、イーハオさんご自身が癒されるものは何ですか?
ワンちゃんですね。yellowとyeahbeという名前の犬を2匹飼っています。
―最近ヘアスタイルを変えてさらに魅力的になったと思うのですが、なぜチャームポイントだったくるくるパーマを変えたのですか?
いま撮影中のドラマ『喜歡・一個人』での役作りのためです。今回はこれまで演じてきたキャラクターよりも自信に満ち溢れて成熟した男性なので、それに合わせてヘアスタイルも変えました。
―イーハオさんご自身はどちらのヘアスタイルが好きですか?
やはりくるくるしている方が好きですね。目の上にくるくるしたものがあると守られているようで安心するんですよ。人と目が合わない感じがいいんです(笑)。
―仕事で充実した日々を過ごしていると思いますが、プライベートでの趣味はなんですか?
まずはギターの練習をすること。ジムに行くこと。カフェに行って本を読むこと。あとは、人気の少ない静かなところに出かけることですね。
―ジアハーと丹丹が住んでいた家もとても景色のいい場所で、台湾には素敵なところがたくさんあると思うのですが、イーハオさんが日本のファンをデートに連れて行ってくれるとしたら、どこに連れて行ってくれますか?
あの家は烏来(ウーライ)にあるのですが、みなさんをぜひ烏来に連れて行きたいですね。台北からも近いですし、温泉もあっていいところですよ。
―では、台湾の美味しいものも紹介してください。
みなさんは鼎泰豐(ディンタイフォン)の小籠包は好きですか? 僕の日本の友だちが来ると、みんな「小籠包!小籠包!」と言うので、「ハイ、イキマショウ!」と連れていくんです(笑)。あとはマンゴーかき氷ですね。台湾はマンゴー以外にもフルーツが安くて美味しいんですよ。たまに日本に来るとフルーツの値段を見て、「オッ、タカイ!」って思います。いろんな種類のフルーツがあるので、ぜひ台湾に来てくださいね!