台湾映画『海角七号/君想う、国境の南』記者会見

台湾で5億3000万台湾ドル(約15億円)の興行収入を上げ、台湾映画としては史上最高、洋画と合わせると『タイタニック』に次ぐ歴代第2位の興行成績を記録、数々の映画賞を総なめにした話題の台湾映画『海角七号/君想う、国境の南』の日本公開が決定しました。これに先駆け、9月29日に文化放送メディアプラスホールでウェイ・ダーション(魏徳聖)監督、主演のファン・イーチェン(范逸臣)と田中千絵、中孝介が出席して記者会見が開かれました。

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kaikaku5.jpgQ. この映画で伝えたかったことは何ですか?
ウェイ監督 「私が伝えたかったテーマは3つあります。1つは音楽。最初はバラバラだったメンバーがバンドとして成長していきます。2つ目は愛。かなわなかった60年前のラブストーリーがきっかけで、現代に生きる主役2人が新しい恋を紡ぎます。そして3つ目のテーマは2回目のチャンス。夢に敗れた人たちが再び訪れたのチャンスをつかむ。3つのテーマを伝えたくて、この作品を撮ったんです」
 

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Q. この作品に出演を決めた理由、また出演してみた感想をお聞かせください。
ファン・イーチェン 「僕はミュージシャンなので、映画のオファーをいただいて驚きましたが、出演のチャンスをもらって感謝しています。クランクアップのときは、これが人生最初で最後の映画になるかもしれないなぁと思ったのですが(笑)、映画のヒットでまた俳優の仕事のオファーもいただけるようになりました。僕にとっては新たなチャンスを得た転機となる作品だったと思います」

kaikaku2.jpg田中千絵 「監督からストーリーをうかがったとき、全身に鳥肌が立つほど感動しました。映画を観た方から『自分の夢を追いかけることを忘れてはいけないと感じました』という感想を耳にするたび、この映画に出会えてよかったと実感します。その作品が日本でも公開されると決まり、とても嬉しく思っています」

中孝介 「2006年12月に初めて台湾で音楽イベントに参加したんですが、そのときウェイ監督が観にいらしていて、ぜひ自分の映画に出てほしいと言われました。kaikaku3.jpg演技経験もなかったので、どうしようかと悩んだんですが、中孝介本人の役だとうかがって、それならやってみようかと。日本にいると映画がヒットした実感がなかったのですが、台湾に行くと、みなさんが僕に気づいてくださるんです。それで、すごいことだと。先日も渋谷を歩いていたら、日本の人は通り過ぎていくのに、台湾の観光客の皆さんが僕だと気づいて、ビックリしました(笑)」

 

Q. 日本の印象や好きな作品などを教えてください。
ウェイ監督 「60年前まで50年間、台湾は日本に統治されていたので、kaikaku9.jpg日本が好きとか嫌いとかじゃなくて、日本のいろいろなものが習慣として根付いている感覚じゃないかと思うんです。たぶん、それを僕たちも次の世代にも伝えていくことになるはずで、日本とは深い関係を持ち続ける気がします。日本映画で好きな作品は、最近だと『おくりびと』。ストーリーはシンプルなのに、とても感動的な作品でした。昔の作品だと『里見八犬伝』(1983年)。初めて自分で2回チケットを買って観た作品なんですよ(笑)。今でもストーリーや登場人物を鮮明に覚えています」

ファン・イーチェン 「日本の人たちはまじめで、生活面でも仕事面でも自分に厳しいという印象です。台湾は、日本にくらべるとちょっと適当なところがあるかと……(笑)。自分はミュージシャンなので日本の音楽に興味がありますが、好きな作品は数え切れないほどあります。アーティストではMr.Childrenさん、B’zさん、X Japanさんのファンです。いつか僕も自分のバンドを連れてきて日本でライブができたらな、と思っています。そのときは台湾のバンドのパワーをお見せしますよ!」 

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Q. 海外での活動について一言お願いします。
田中千絵 「言葉の壁はありますが、私の目標は日本とアジアの架け橋になる女優になること、これからもそのためにがんばっていきたいと思っています」

中孝介 「台湾でライブをすると、ストレートに反応が返ってきて、気に入ってもらえてるんだ!! と体感できるのが嬉しいですね」

 

Q. 続編への希望はありますか?
ファン・イーチェン 「僕が演じるアガと友子の恋の行方も気になりますが、アガは台北でどんな挫折を経験したのだろう?とか、映画の前のストーリーも気になるんです。自分で自由に想像したストーリーを書きとめたりしています」

kaikaku7.jpg田中千絵 「60年前の日本語教師と友子さんのストーリーを観たいという思いはありますが、美しい作品のまま終わったほうがいい気もします。むずかしいところですね」

中孝介 「もちろん続きを観たいという気持ちはありますが、このストーリーで完結しているので、このままのほうがいいのかもしれない、とも思います」

ウェイ監督 「美しい物語には、美しい始まりと美しい結末があるものです。この映画はすでにその両方がある。なので、続編は考えていません」

 

Q. 主題歌に『野ばら』が使われています。みなさんにとって『野ばら』はどういう歌ですか?

ウェイ監督 「日本と台湾のミュージシャンが一緒に歌える曲で、しかも時間的な関係であまり練習の必要がない曲を探しました。日本の古い歌がいいと思ったんですが、演歌だとバンドに合わないし、そこで思いついたのがこの曲だったんです。教科書にも載っていて誰もが知っている歌、しかも愛を歌ったシンプルな歌詞が映画にピッタリだった。黒澤明監督の『八月の狂詩曲』にも使われていますし、これ以上の歌はないと思いました」
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ファン・イーチェン 「僕と監督とは世代ギャップがあるので(場内大爆笑!)、童謡という認識でしたが、歌ってみて新鮮な感じでした」

田中千絵 「シナリオをいただいた段階では、まだ曲名が記されておらず『台湾と日本の両方で知られている歌』としか書かれていたので、どんな曲だろうと、すごく興味があって楽しみにしてたんです。学校で習った曲でしたが、こんなにすてきに編曲されて感動しました」

中孝介 「シューベルトのメロディーが美しい曲なんですが、西洋の作曲家の作品なのに日本や台湾の人たちの胸を打つんですよね。やっぱり音楽に国境はないと感じました。子供の頃から学校で歌っていた曲ですが、あらためて大人になって歌ってみると、懐かしさを感じて、昔から日本に伝わっている曲のようにも感じました」
 


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台湾に住む人の3人に1人は観たという映画『海角七号/君想う、国境の南』は、現地で「ハイジャオ・チーハオ(海角七号)観た?」というのが挨拶がわりになるほどの社会現象を巻き起こしました。日本公開は2010年新春、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開予定、ぜひお出かけください。 

 

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 『海角七号/君想う、国境の南』 STORY
台北でミュージシャンとして成功する、という夢に破れ、台湾最南端に位置する故郷・恒春に戻った青年アガ(ファン・イーチェン)。南国の陽気に包まれ無邪気な日々を過ごしていたが、郵便配達の仕事をあてがわれた。アガは宛先不明の未配達の郵便物の中に“海角7号”宛ての小包を見つける。同封されていたのは、60年前、敗戦によって台湾から引き揚げる日本人教師が、愛しながらも別れなければならなかった台湾人女性を想って船上で綴った七通のラブレターだった。だが、今は存在しない日本統治時代の住所を知る者は誰もいなかった。そんなある日、アガは日本人歌手・中孝介(中孝介本人)を招いて催される町興しライブの前座バンドに無理やり駆り出される。オーディションで選ばれたメンバーは少女から老人まで。即席の寄せ集めで練習もままならず、やる気のないアガの曲作りも難航、ライブの監督を務める日本人スタッフ・友子(田中千絵)とも衝突してばかりだ。はたしてバンドは無事ステージを務められるのか? 60年前の手紙は宛名の女性に届くのか? 南の空に虹がかかる時、小さな奇跡が起こり……。
 


『海角七号/君想う、国境の南』公式ホームページ http://www.kaikaku7.jp
配給:ザジフィルムズ/マクザム

 

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